PCXクラッチ交換ガイド:手順と必要なツール
この間新東名高速道路でクラッチとプーリーの駆動系リフレッシュを行ったので走ってきました。
その模様は後々話をさせていただこうと思うのですが、結果的に劇的にPCX160が走るようになったと思います。
- 107㎞/hで速度が限界を
- 追い越し車線を使いづらい
- ベルト側からきゅぃぃぃぃという音が発進時に鳴っていた
この3点から2万キロになったら駆動系を一回全部開けて、交換と洗浄を行うと決めていました。
ウェイトローラーが段付きをしていたので、もうこれは使えないです。一応リザーブとして何かあった時に取っておいてはいますが、多分もう使用することはないと思います。
こうして駆動系のリフレッシュを行ったら、台風と地震から逃げてきた名古屋でもバリバリ走って、何も問題はなかったように感じました。
リフレッシュして元以上の走りをしてくれるなら、今度から1万キロになったら駆動系のリフレッシュを行おうと思いました。あとエンジンオイルの交換も必須なので、これも行っていきます。
さてさてクラッチの交換の重要性という話ですが、重要なのですが基本的にしっかり洗浄などを行っていけば問題ないと思っているので、その重要性や交換作業の方法、駆動系リフレッシュをしたときの感想や実際に走った結果などをご報告させていただこうと思います。
クラッチ交換の重要性
クラッチは、エンジンの回転をトランスミッションに伝達するために必要な部品です。摩耗や損傷により、クラッチの性能が低下すると、加速が鈍くなったり、燃費が悪化したりすることがあります。そのため、PCXをスムーズに、そして経済的に走らせ続けるためには、クラッチの状態を定期的にチェックし、必要に応じて交換することが推奨されます。
クラッチの交換は大体25,000キロで一回と言われています。しかしクラッチ自体が痛んでいないのなら、交換するより一回洗浄をしてもいいと思います。
JF81 PCX クラッチ交換 (mihiro.sakura.ne.jp)
こちらのサイトによくPCXのクラッチの重要性が書かれていますので、もし不安な方は一度読んでください。ただし一番重要なことは「バイク屋さんに相談すること」だと個人的に思っています。クラッチ交換をする理由などを話してみて、必要かどうかを一度尋ねてみるのがいいと思います。
4型からエンジンが大幅にリニューアルされて、2バルブから4バルブになったことで私のPCX160やPCX125では、市販のクラッチは使えないですね。しかしクラッチ自体は頻繁に交換するパーツではないので、やはりウェイトローラーの方が重要になります。
pcx125 ウェイトローラー 交換 – ポレポレ日記 (poreporejpn.com)
2型以前のモデルに乗っている方は駆動系リフレッシュセットというキットが販売されているので、そちらを使って自分で交換してしまうのも一つの手です。
クラッチ交換のタイミング
クラッチの交換時期は、走行距離や使用状況によって異なりますが、一般的には20,000kmごとの交換が推奨されます。しかし、以下のようなサインが見られた場合は、早めの交換を検討する必要があります。
- 加速時にエンジンの回転数が異常に上がる
- スクーターの加速が鈍い
- ギアチェンジがスムーズに行えない
PCXはマニュアルバイクではないので、クラッチの上げ下げは行いません。よって加速がスムーズでないと思ったら、その時点で相談していいと思います。なおエンジンの回転数も同様ですので、加速がスムーズではないなら一度バイク屋さんに相談してください。
クラッチ交換をするときは、一緒にVベルトの交換も行っていいと思います。私はPCX160 KF47なので適合するベルトは下記の商品ですね。Vベルトの方がはるかに重要な交換部品になるので、Vベルトにひびが入っていたら即交換してください。
必要なツール
クラッチ交換には、以下のツールが必要です。
- ソケットレンチセット
- トルクレンチ
- フライホイールホルダー
- クラッチホールドツール
- 新しいクラッチキット(プレートとスプリングを含む)
自分でやる方は広いガレージも必要です。絶対に自宅付近の道路や集合住宅の駐車場で作業は行わないでください。自宅が個人宅で駐車場があるなら、たぶんそこを作業場にするのは大丈夫だと思います。
違法性を疑われる可能性のある場所では、絶対に改造等々の作業は行わない方がいいと思います。一般道とかはまさにそれです。
一応そういう解説もしながらクラッチ交換をするときは、プーリーホルダーという工具が必須になります。ネジを回そうとしてもクラッチが回ってしまうからです。なのでクラッチ交換にはプーリーホルダーで、クラッチを固定してネジを回す必要があります。
クラッチ交換手順
- 準備: PCXを安定した場所に置き、エンジンを冷ましておきます。
- アクセス: エンジンカバーを取り外し、クラッチアセンブリにアクセスします。
- 解体: フライホイールホルダーを使用してクラッチナットを固定し、ソケットレンチでクラッチナットを緩めて取り外します。
- 交換: 古いクラッチプレートとスプリングを新しいものと交換します。この際、すべての部品が正しく配置されていることを確認してください。
- 再組立: クラッチナットを手で締め、トルクレンチを使用して指定のトルクまで締め付けます。
- 終了: エンジンカバーを元に戻し、すべてのツールを片付けます。
文章だけではわかりにくいと思ったので、動画を貼っておきます。PCXのクラッチは相当走らないと交換しない部品です。しかし長年乗りたい方は交換すれば、また新品のように走ってくれます。是非一回交換をしてください。
そしてメガネレンチというものがあるので、それを使って交換するようになります。ネジのサイズがあるのでそれぞれに対応できるメガネレンチセットはとても便利です。
注意点
- クラッチ交換は比較的簡単な作業ですが、不安な場合は、専門のメカニックに依頼することをお勧めします。正しい工具と手順で行わないと、エンジンやトランスミッションに損傷を与える可能性があります。
- 交換作業中は、クラッチプレートやその他の部品の取り扱いに注意してください。特に、クラッチプレートは摩擦材料でできているため、油分や汚れが付くと性能が低下します。
- クラッチ交換後は、エンジンをかけて、クラッチの動作とトランスミッションの切り替えがスムーズに行えるかを確認してください。何か異常があれば、すぐに作業を停止し、原因を調査する必要があります。
- また、クラッチ交換を機に、エンジンオイルやフィルターの交換も同時に行うと、PCXのパフォーマンスを最適な状態に保つことができます。
駆動系は必ず痛んできます。絶対に25,000キロを目途に一回、洗浄などは行ってください。一回プーリーやクラッチを空けると、意外と問題点が浮かび上がってくる場合もあります。パーツクリーナーなども準備しておき、吹きかけていい部分とダメな部分も一緒に覚えてください。
最近駆動系をリフレッシュして思ったこと
まずクラッチなのですが交換する手段が通販ではないので、バイク購入店に依頼することになると思います。
でこのクラッチなのですが相当荒っぽく乗らないと、壊れるという不安は出てこないはずです。笑
しかしこの駆動系のリフレッシュ作業を行って、いろいろ気が付いたことがあるのでご報告をさせてください。
PCX160の駆動系のリフレッシュをした結果:新東名で最高速130㎞以上マーク!
今年の2月にPCX160を購入して、8月に購入して半年、走行距離は19,500㎞になりました。
一回駆動系をばらして、パーツクリーナーで洗浄をしました。
- ベルトの交換
- ウェイトローラーの交換
- パーツをそれぞれ洗浄
この3つを行い、台風と南海トラフの影響で名古屋までとんぼ返りみたいなことをやりました。
ちなみにプーリー側についているスライドピースの交換は、今回は行っておりません。
そして新東名高速道路は東名高速道路のリニューアル工事に伴ってできたような道路ですが、そこで120㎞/h区間というものが存在するので、試しに走ってみました。
新東名の120㎞区間で最高速130㎞/hをマークしました。しかしこれについてもいくつか、PCX160の欠点を見つけることができたので、そのご報告をさらにさせていただこうと思います。
最高速130㎞/hをマーク!しかし途中で速度が落ちる場面も…
160㏄なのでまああり得るなっていう感じではあるのですが、最高速が出る場面はあるのですが。
- 風に強烈に煽れらたとき
- 少しでも傾斜がある道路の時
- カーブがあって風が強く吹いているとき
大体この3つぐらいの条件の路面状態なら、100㎞/hを切ってしまうこともあります。新東名は名古屋から乗ると、途中で豊田JCTから入れますが、そこからはかなりきつい傾斜が多くて、そこでは速度はどんどん落ちていきます。
この点から気を付けないといけないのが、追い越し車線です。
新東名高速道路は大型トラックも多く利用していますし、JRバスなども多く走っています。そして意味が分からなかったのですが急に車線変更をして、追い越し車線に入ってくる場面があります。
あれが私にはちょっと意味がわからなかったのですが、周りの速度を落とすためなのかノルマが間に合わないので追い越し車線を使って速度アップを測ったのか。
まあとにかくいるはいるのですが、PCX160はあまり長距離をずーっと走り続けることは苦手なバイクなようです。なのでこれでロングツーリングを行う方がいたら、SAやPAなどで絶対に何回でもいいし長時間使っていいので、休憩を行ってください。
休憩はあなたの体力回復のみではなく、バイクのコンディションを守る行為だと意識してもらいたいのです。
クラッチ側で重要なのはベアリング
クラッチ側で大事なのは、ベアリングだと思います。
PCXはPCX125でもPCX160でもそうなのですが、後輪側でシャーシャー音が鳴り続ける現象があるあるで出てくることがあります。
これはベアリングからくる異音なのですが、これがクラッチ側ではなくトランスミッション側で、ファイナルギアのベアリングが砕けて、その破片が各トランスミッションのかみ合わさっている刃を傷つけてゴリゴリする音やシャーシャーする音の原因になっている場合もあります。
当然ファイナルミッションやクランクシャフトの交換、それを支えているベアリングの交換も必須になります。個人で管理するとしてもかなりの額になってしまうので、必ずクラッチ側の異音なのか、クラッチを外してもシャーシャー音がするのか?
この辺りもしっかり管理しながら、クラッチ側の管理も行ってください。
しかしプーリー側の交換や洗浄を怠らなければ、基本的にPCXは走り続けると思います。PCX160でもこのような駆動系リフレッシュのアイテムが存在するので、もし不安なら購入しておいて解体して交換できるようにしてください。
クラッチ側でもプーリー側でも必ずプレセット型のトルクレンチが必須なので、購入しておくと正しい規定トルクで締め付けを行うことができます。
まとめ
Honda PCXのクラッチ交換は、適切な工具と正確な手順を守れば、自宅で行うことが可能です。しかし、この作業を通じて、PCXのメンテナンス全般に対する理解を深め、より快適で安全なライドを楽しむための基礎を築くことができます。
クラッチ交換は、PCXを長期間にわたって最高の状態で走らせ続けるための重要なステップです。適切なタイミングでのメンテナンスと部品の交換によって、あなたのPCXは常にベストなパフォーマンスを発揮し続けるでしょう。
PCXの加速力に私は不満はないのですが、もし不満がある方はハイスピードプーリーに交換してしまう方がいいと思います。部品があればバイク屋さんに交換をお願いするのもいいですし、自宅でやってしまうのもいいと思います。ただし上記の動画のように締め付けの力が54Nmなど決まっています。
締め付けなどの規格は必ず確認して、ボルトなどの締め付けを行ってください。そうしないと故障や道路でのエンジン停止などの原因になりかねないです。安全運転で楽しい旅をお楽しみください。
|