ADV160とADV150、結論どっちを買うべき?違いを比較!

「ADV160とADV150で悩んでいる…」「最新モデルの性能差は本当に価値があるの?」バイク選びの現場では、こうした葛藤の声が絶えません。新型モデルはスペックだけでなく、使い勝手や維持コストなど多角的な視点で比較しなければなりません。
「どっちを選んだら後悔しないんだろう?」
実は、この二車種は見た目以上に細かな仕様や装備、日常使用での快適性に差異があります。なのでADV160の新型がいいのか?いやいや中古でADV150を買って自分で面倒見たらいいのか?というところを、今回は改めて両車体を比較しつつその性能から、どういった走りが向いているのかを比較検討してみたいと思います。
項目 | ADV160 | ADV150 |
---|---|---|
発売年 | 2024年 | 2020年 |
全長 | 1,950 mm | 1,960 mm |
全幅 | 760 mm | 760 mm |
全高 | 1,195 mm | 1,150 mm |
ホイールベース | 1,325 mm | 1,325 mm |
最低地上高 | 165 mm | 165 mm |
シート高 | 780 mm | 795 mm |
車両重量 | 136 kg | 134 kg |
エンジン排気量 | 156 cc | 149 cc |
エンジン形式 | 水冷4ストローク単気筒OHC 4バルブ | 水冷4ストローク単気筒OHC 2バルブ |
最高出力 | 16 PS (12 kW) / 8,500 rpm | 15 PS / 8,500 rpm |
最大トルク | 15 Nm / 6,500 rpm | 14 Nm / 6,500 rpm |
燃料タンク容量 | 8.1 L | 8.0 L |
燃費(WMTCモード値) | 約42.5 km/L | 約44.1 km/L |
ブレーキ(前/後) | ディスク/ディスク | ディスク/ディスク |
タイヤサイズ(前) | 110/80-14 | 110/80-14 |
タイヤサイズ(後) | 130/70-13 | 130/70-13 |
価格(税込) | 約47万3,000円 | (発売時はもっと安価) |
その前に両車体のスペックとなります。意外とPCXというバイクの知名度と売れ行きに隠れた名車となっているので、このADVシリーズを選ぶライダーの方も少なくないです。ハッキリ言ってしまうとPCX160の車重に3,4㎏プラスしたという程度のものなので、走り自体は大して変わらないです。
しかもPCX160でお勧めしてきたタイヤが、そのままADVでも履けてしまうのでタイヤ選びに関してはバリエーションが豊富に思えます。お気に入りのタイヤを見つけたら、ADVに履いてしまうといいと思います。
ADV160がおすすめな人
ADV160は、最新技術や装備、高い安全性と快適な走りを重視するユーザーにこそ最適です。特に高速道路や長距離ツーリングを多用する方、加えて「現行シティコミューターにない余裕」を求める層には力強い味方となります。その根拠は、下記で詳述する新装備・パワーアップ・快適性の飛躍です。
ADVはとにかくアドベンチャースタイルなバイクという意味の名前です。その名前の通り、各パーツにアフリカンツインのパーツが使われたり、PCX160やPCX150の車体をモデルにしているのに全く違ったテイストのバイクになっているというのが売りだと思います。
トラクションコントロールと快適な走りで安心感を求める人
ADV160には、ホンダの二輪車用トラクションコントロール「HSTC(Honda Selectable Torque Control)」が搭載されています。HSTCは、加速時に後輪が滑るのを素早く検知・制御することで、急な路面変化や雨天時にも安定したブレーキングを実現してくれます。私は意外と思われるかもしれませんが、このバイクでツーリングをするならたぶん以下の3つぐらいは持っていくと思います。
- シートバッグ
- 予備のブレーキレバー
- 各パーツのメンテ工具
- 万能グリス
この4つは絶対に持っていくと思います。事故が起きたときも非常に助かったのが、U-KANAYAのブレーキレバーです。これ結構壊れにくいと思っていて、弱そうな合金なのですが折れなかったです。結構大事故を起こしたので各パーツどうだったかなって今実験しながら走っているのですが、全く折れないパーツの一つです。
お値段は確かに15,000円ぐらいするのでお高めなのですが、嫌なら純正のブレーキレバーを一本持っていけばいいだけです。しかし純正のブレーキレバーでは味わえない楽しさが、このたかだかブレーキレバー一対で味わえます。もし気になる方がいたらこのブレーキレバーの楽しさを、一度味わっていただきたいなと思います。スクーターの面白さはやっぱりマニュアルバイクでは味わえないカスタムパーツを変更したときのワクワク感じゃないかなと思います。
ADV160に搭載されたトラクションコントロール(HSTC)がもたらすメリット
HSTCは、特に砂利道や濡れた道路などグリップ力が落ちやすい場面で真価を発揮します。リアタイヤの空転を制御し、車体の安定性を保ちつつ、安全な加速を実現。これにより、「うっかりホイールスピンした…」という瞬間でも冷静に対処可能です。通勤・通学時の悪天候やアウトドア志向のユーザーから高い評価を得ている先進装備です。
それに付随してあった方がいいかなぁと思うアイテムがあるなら、ハンドルガードかなと思います。この間実は事故を起こしてしまったのですが、このハンドルガード。かなり役に立っていまして、風から手を守るどころか事故から手を守ってくれると思います。
そして意外と壊れにくいという側面もあって、非常に重宝しているアイテムです。私がもしADV160を購入するなら真っ先に取り付けておきたいアイテムの一つだと思っています。
エンジンパワーアップと4バルブ化による高速走行時の余裕について
ADV160は、排気量156ccの新型エンジンを搭載し、ADV150の149ccから容量と出力の双方が向上しました。しかも、ADV160はSOHC4バルブエンジンを採用。これにより高回転域での吸排気効率が向上し、高速巡航時の「もうひと押し」が大きな差となります。例えば、高速道路で80km/h超の巡航時にも余力を感じ、「追い越し車線の加速に不安がない」という声も珍しくありません。
ただし走りに関してはPCX160と同じだと思ってください。高速道路なので300㎞以上のロングツーリングは、結構不可能に近いかなと思います。いや不可能ではないのですが決して楽でもないし、楽しい走りになるということはありません。これはADV160も同じに思えるのでどういったバイクの使い方をするのか?というのを、各ライダーさんたちで考えておく必要があります。
私は多少燃費がかさんだとしても長距離を一日で走る方なら、フォルツァ250なども視野に入れておくのがいいと思います。それを考えたうえでそれでもADV160がいい方は、しっかりローダウンなど自分の身長や股下に合わせたバイクのセッティングをするといいと思います。

スクリーンが大型化されたことによる風防効果と疲労軽減
新型ADV160では、ウインドスクリーンがより大型化。これにより高速走行や向かい風での風圧がシート周りや胸元に直接当たることを低減。長距離走行時の疲労感や肩まわりの緊張が緩和されるため、「ツーリング先での疲れ方が段違い」という意見も見受けられます。
しかしこのスクリーンはフォルツァ250とは違い、自動開閉ではありません。手動で開閉を行わなければならないので非常に大変な部分もあるかなと思います。夏はスクリーンを一番下に、冬はスクリーンを上にしておくといいと思います。純正のスクリーンは小さめなので、大きめのものに変えてしまってもいいように思います。ADV160を選ぶかフォルツァ250まで手を伸ばすかは、こういうところで大きく差が出るのではないかなと思います。
シート高が下がったことによる足つき性の向上と安心感
従来のADV150が795mmだったシート高が、ADV160では780mmに。たった15mmの差ですが、実際にがに股を開いたときや信号待ちの停車時、「地面をしっかり踏みしめられる」安心感は絶大。特に身長の低いライダーや女性からの評価が高まっています。
ADV160になってから35㎜のローダウンキットなども、社外品ではあるものの販売されているのでほぼ誰でも乗れるバイクに変身したのかなと思います。ローダウンキットの存在は結構女性ライダーにとっては、大きな存在ではあると思うので乗りたいバイクがまた一台増えたというのは嬉しい出来事ではないかなと思います。
ADV150がおすすめな人
「予算を抑えてADVシリーズの世界観を楽しみたい!」そんな方にADV150はピッタリ。新型ADV160の登場で、中古市場が賑やかになり、コストパフォーマンス志向の選択肢として確かな存在感を放っています。予算・パーツ豊富さ・維持費に敏感なユーザーには、今も十分な魅力です。
ADV150は以前赤のデザインが売っていたのですが、今は白とグレーの二色になっています。ただ赤に変更できるキットも存在しているようなので、そちらに変えてももちろんOKです。ホンダのバイクは色合いは最高にいいと思うので、私ならこのまま乗ってしまうかなと思います。
フォルツァ250の値段も考えてみたらまあ当然かなとは思うのですが、このバイクも自動開閉式のスクリーンにしてもらえればもっと価値が上がったバイクの一台だと思います。だいたいADV160の時に言ったことと同じなので、ADV150の項目では予算についてもう少し具体的に解説をしていこうと思います。中古市場は常に値上がりや値下がりを繰り返すので、バイク購入店の方と仲良くしておくのも一つの仕事になると思います。
予算を抑えてADVシリーズの世界観を楽しみたい人
「初バイクはなるべく予算を抑えたい」「大型スクーターはまだ不安…」という声、よく聞きます。ADV150は新車価格・中古車価格ともにADV160よりリーズナブルなのが最大の魅力。特に型落ちモデルやワンオーナー中古で掘り出し物を狙うなら、ADV150が有力な選択肢となります。
ADV150の価格は大体45万円ぐらいです。しかしこれは諸経費を除いた額なので、もう少し高くなります。50万円ぐらいをノーマルで見ておいた方がいいと思います。ノーマルとはETCやグリップヒーターなどの必要な装備を抜いた価格です。生産終了モデルなので当然中古バイクになりますが、大体30~60万円という価格になっているようです。この辺の価格をどう捉えるのか、というのがADV150を選ぶときのネックになりそうな気がしました。
新車価格と中古車価格の比較
ADV150の新車価格はADV160と比べて数万円安く設定されており、市場によっては10万円近い差が出ることもあります。さらに、中古市場で流通するADV150は登録から数年経過した個体も増え、値ごろ感が非常に高まってきました。
この中古価格ですが普通に別の社外品マフラーが付いているので、この値段というような価格設定です。価格自体はまともな値段ではあるものの、よーく探してみるともっと安い車体も見つかるのではないかなと思います。ADV160の乗り出し価格が52万円ぐらいするので、この値段を大幅に下回る中古車を選ぶと破損状態や走行距離に減算歴がない限り、非常にお得なお買い物になるのではないかと思います。
燃費性能の違いと維持費の比較
ADV150は、メーカー公称値で約48.0km/L(WMTCモード)という燃費性能を誇ります。ADV160も燃費は悪くありませんが、やや車体重量・排気量の増加によって数字上のアドバンテージはADV150に軍配。日常のガソリン代や税金、消耗品交換コストを総合すれば、維持費でもADV150が優位です。
そしてやっぱりここでも意外と、足つき問題は活きてくるという感じがしています。
何が活きてくるのか?というと足つきが悪いと、結局燃費もそれ以上に悪くなるという点です。しかしADV150もしっかり足つきをよくしてくれるローダウンキットは存在しています。なのでこのバイクも結局バイク屋さんに頼んでしまえば、795㎜から30㎜のローダウンが可能になるので、大体PCX160と同じぐらいになると思えばいいのでしょうか。
いずれにしてもPCXの感覚でワイルドはスクーターであるADV150に乗れるのは、本当に走りの楽しみが増えるのではないでしょうか。このバイクなら確かに高速道路を長時間巡行するのは、きわめて楽しくないし走りも楽ではありません。しかし下道のようにストップゴーを繰り返す道路なら、ローダウンキットの存在で全く話が変わってくるのではないかと思います。
カスタムパーツの豊富さと選択肢の多さ
ADV150は、カスタムパーツ市場が成熟しています。ウインドスクリーンやマフラー、リアキャリア、サイドバイザーなど多様な社外パーツが揃い、「自分色に染めたい」趣味層には嬉しい限り。新型モデルでは社外品の開発にタイムラグが生まれるため、今すぐカスタムを楽しみたい場合はADV150が有利。
PCXのときには言わないことだったのですがADV150の場合は、デザイン性も考えてマフラーも交換してもいいように感じました。もちろん純正のものでもいいのですが、こちらのADV150の方がそのカスタムも面白いんじゃないかなと思います。
【徹底比較】ADV160とADV150のスペックと違いを一覧で解説
ここでは、両車種の主要な違いを数値・機能・装備ごとに網羅的に比べてみましょう。今回はADV160とADV150の話なのであまりやらないと決めていましたが、正直に言うと車検なしの250㏄までのバイクであれば、同社から発売されているフォルツァ250も視野に入れていいと思います。
【徹底比較】フォルツァ250とXMAX250はどっち?後悔しない選び方 – ポレポレ日記
この間2か月弱ぶりにPCX160を走らせてみましたが、ハッキリ言って私だったらADV150やADV160と比較して購入するかどうかというより、フォルツァ250と比べてPCX160を維持するかフォルツァ250にするか、という感じで考えています。購入代金が30万円以上も違うのでコスパはいいのですが、それでもPCX160もADV160も値上がりをしているので、私だったらフォルツァ250のお金を集めるかなぁと思います。
こういう感じで主役がフォルツァ250に取られている感が強いので、その辺も考慮に入れてADV160にするかADV150にするかという選択をしていただきたいなと思います。またお金に余裕が作れそうな方なら、フォルツァ250やXMAX250のようなビッグスクーター。もう一台をADVのどちらかという購入もアリだと思います。
ADV160とADV150の「エンジン・走行性能」の違い
- 排気量:ADV150…149cc、ADV160…156cc(排気量アップでパワフルな走りを提供)
- 最高出力・トルク:ADV160は体感的にも力強く、追い越し・加速で余裕が生まれる
- エンジン形式:2バルブ(ADV150)→4バルブ(ADV160)で高回転域の伸びが向上
- フレーム:ADV160は新設計フレーム採用、直進安定性・旋回性が強化
ADV160とADV150の「装備・機能」の違い
- 安全装備:ADV160のみHSTC搭載、滑りやすい路面でも制御力が大幅進化
- メーター:フルデジタル多機能メーター(ADV160)が情報量・視認性ともに向上
- ユーティリティ:USB-Aソケット&30Lシート下収納(ADV160)の利便性アップ
ADV160とADV150の「車体・デザイン」の違い
- シート高:ADV150…795mm、ADV160…780mm(足つきが格段に良くなった)
- スクリーン:ADV160は大型化&可変機構で風防性能アップ
- デザイン:カラーバリエーションに違いがあり、ADV160は新グラフィック採用
まとめ
ADV160もADV150も結局PCX160やPCX150の時に述べた結論と同じです。高速道路にどのぐらい乗るか、という一点に尽きると思います。フードデリバリーで乗るぐらいなら原付二種のバイクでいいと思います。私も運輸支局や陸運局へ行って、緑ナンバーを取得しましたが本当に手間がかかっています。PCX160でそこまでするべきかなぁというのが私の結論です。
しかしこれがフォルツァ250とかなら、全く話が変わってきます。このバイクなら緑ナンバーを取得しても乗り回したいなと思えるバイクです。それはADV160やADV150にも同じことが言えるのかなと思っています。ADVの両車体ともいえることは、PCXより楽しいバイクだということです。それはカスタムにも言えることですし、実際に下道のみの走りだとしても非常にワイルドな走りをしてくれます。
無難に下道を乗るならPCXで、そうじゃないならADVでという感じの使い分けでいいのではないかと思っています。あと動画でグリップヒーターがあれば…と言っていたと思いますが、このバイクはPCXと同様そこの辺の暖の取り方もネックになると思います。正直電熱グローブより私はグリップヒーターの方が、はるかに効きがいいと思っています。
ADV160 KF54専用になってはしまうのですが、これにもアタッチメント付のグリップヒーターは存在します。真冬でもADVに乗りたい方はこういう純正のグリップヒーターもあるという、真冬を快適にADVに乗る参考にしてください。