PCX125のドレンワッシャーサイズは「M12」で全型式共通

エンジンオイル交換をする際、「ドレンワッシャーのサイズって何ミリなんだろう?」と迷うライダーは意外に多いものです。結論から言えば、PCX125のドレンワッシャーは全ての型式で共通してM12(内径12mm)が適合します。初代JF28から現行のJK05まで、ホンダが設計思想として“ボルト径M12を維持し続けている”ため、モデルチェンジによる互換性の不安は不要です。
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デイトナ(Daytona) バイク ドレンワッシャー M12 厚さ1.7mm ドレンボルトガスケット 10枚入り 75420
私はオイル交換をする度にいつもこのドレンワッシャーを使っています。ドレンワッシャーとは、ドレンボルトのみだと新品のオイルがボルトの隙間から漏れる可能性があるので、それをドレンワッシャーを介することでオイル漏れを防ぐアイテムのことです。
結構重要なパーツなのですが上記のドレンワッシャーを使っていて、一回もオイルが漏れたなんてことはないので、自分でオイル交換もこれなら可能です。
エンジンオイル側のドレンワッシャーサイズは「M12」
PCX125のエンジンオイル交換で最も重要なのは、オイル排出口(ドレンボルト)側のワッシャーサイズを正確に理解することです。これは単なる部品ではなく、エンジン内部の油圧を保持し、オイル漏れやトラブルを未然に防ぐ役割を担います。このドレンワッシャーのサイズは「M12」で統一されています。
「M12」とは、ボルトのねじ径が12mmであることを意味します。ワッシャーの内径がこの12mmでなければ、取り付けた際に正しい締め付け力が伝わらず、漏れや歪みの原因となります。
また、PCX125にはエンジンオイルドレン以外に「ミッションオイルドレン」もありますが、ミッション側はM8サイズと異なります。つまり、作業前にどのオイルを抜くのかを明確に区別することが非常に大切です。
エンジンオイル交換時にミッション側を誤って外してしまうと、ギヤトレイン内のミッションオイルが流出し、想定していなかったメンテナンストラブルにつながる恐れがあるため注意が必要です。
適合サイズは「内径12mm(M12)」一択
ドレンワッシャーの適合を調べる際、「Mサイズ表記」と「内径表記」が混同されることがよくあります。簡単に言えば、“内径12mm = M12” が正解です。ワッシャーは中心部分の穴(内径)と外径、厚みの3つの寸法で構成されています。PCX125の場合、内径12mm、外径18mm前後、厚み1.5mm前後のタイプが一般的です。素材はアルミが純正採用されていますが、後述の社外品では銅製(カッパー製)を選ぶユーザーも多いです。
「多少サイズが違っても問題ないのでは?」と考える方もいますが、実際には1mm単位のズレが密閉性に大きく影響します。特にエンジンオイルは高温・高圧で循環しているため、わずかな隙間からでもオイルがにじみ出ることがあります。したがって、内径12mmのワッシャーのみが唯一の正解と言ってよいでしょう。
歴代PCX125(JF28, JF56, JF81, JK05等)すべて共通サイズ
ホンダはPCXシリーズのエンジン設計において、一貫してM12規格のドレンボルトを採用しています。初代JF28(2010年〜)から、eSP+エンジン搭載の最新JK05(2021年〜)まで、ドレンワッシャーサイズの変更は一度もありません。
その理由は、整備性の共通化とパーツ共有によるコスト効率化にあります。車両ごとにワッシャーやボルトの仕様を変えると、部品供給やメンテナンス時の互換性が失われ、整備性が低下します。ホンダはグローバルモデルとしてPCXを展開しているため、こうした部品共通化は合理的な設計判断といえます。
ユーザーにとってもこの共通化は大きなメリットです。モデルごとに品番を調べ直す手間がなく、「PCX125 M12 ドレンワッシャー」と検索すれば確実に適合する部品が見つかります。また、PCX150やPCX160も同じM12サイズを採用しているため、姉妹車との共有も容易です。
PCX125のオイル交換の方法と一緒に交換した置きたいパーツ3選
規定トルクは24Nmとなっていますが、私はあまりこのオイル交換においては規定トルクは測っていません。ネジをなめなければ大丈夫なので、ネジをなめる。つまりネジを強く締めすぎて空回りする現象だけ気を付けて、締め付けをトルクレンチで行えば平気です。
PCX125のオイル交換の方法は以前記事にしてまとめていますので、そちらを読んでいただきながら必要な道具もそろえて、なるべく自分で最終的に行えるような状態にしておくといいと思います。
- トルクレンチ等々の道具は大陸製のものでいい
- ドレンボルトの規定トルクは24Nm(測らなくてもしっかり締めておけば大丈夫)
- ドレンワッシャーは厚い方を上に向けてドレンワッシャーにはめる
- ドレンから古いオイルを抜く
- フィラーから新しいオイルを入れる(Hondaの推奨では800ml)
この流れはPCX160でも同じなので下記の記事を参考にしていただければ、そのままPCX125のエンジンオイルの交換作業は終わりです。ドレンで古いオイルを抜いたら、外したボルトは絶対に取り付けて新しいエンジンオイルを入れてください。

タイヤ
ドレンワッシャーを気にするという方は、おそらくエンジンオイルを自分で入れる方だと私は認識しています。それに伴って私ならタイヤも一緒に気にして、すり減っていたら交換をしてしまいます。
| 年式・型式 | フロントタイヤ | リアタイヤ |
|---|---|---|
| JK05(2021~2025年) | 110/70-14M/C 50P | 130/70-13M/C 63P |
JK05になってからPCX125のタイヤのサイズは、上記の表のまま固定になっています。2025年モデルでも十分使えるタイヤなので、上記の表を参考にしてください。上記の表のサイズがわかっていれば、バイクショップで自分でタイヤを購入することもできます。自分で作業ができる方なら、自宅でタイヤの交換も可能です。
下記のタイヤはバイクショップでは12,000円以上する高級なタイヤなのですが、ネットだと意外と安く手に入るのでバイクショップに持ち込める方や、自分で作業ができる方はリアタイヤだけはしっかりメンテナンスをしてください。
エンジンオイル
じゃあエンジンオイルは何がいいの?という方もいると思うのですが、私はこれは好きなものを入れていいと思っています。MAと書かれたスクーター用というものもあるのですが、これを入れてはいけないのがマニュアルバイクです。
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ワコーズ エンジンオイル PRO-S40 プロステージS 10W-40 E235 4L
私のバイク購入店では上記のエンジンオイルを入れてくれますが、自分で交換してからは純正と言われるオイルを入れていました。しかし上記のオイルに変えてからエンジンの始動がすごくよくなったように感じました。私の体感ではなくこれは本当にエンジンオイルの質はバイクの走りの良し悪しに直結すると思っています。
エンジンオイルも上記のもの以外にも実は、5個ぐらいいいエンジンオイルがあると言われています。そのエンジンオイルについても下記の記事に載せていますので、もし走りをさらに良くしたいという方がいたら、エンジンオイルにもこだわりを持っていいと思います。

ブレーキパッド
これも絶対というアイテムではないのですが、ガスケットは一応多く持っておいた方がいいです。
- M12ドレンボルトの外径はほぼ全てΦ20前後で、気にしなくてもよい。
- ガスケットの厚みはアルミ製なら1.5㎜~2.0㎜、銅製なら1.5㎜が標準。
- ガスケットのバリエーションはほとんどないので、敢えて選ぶ必要はない。
- 純正がアルミ製の場合、銅製は絶対に使用しないこと。
- 純正が銅製の場合、アルミ製への置換は可能だがトルク値管理が重要。
- アルミ製ガスケットは再使用不可。オイル交換のたびに新品交換が必須。
- 銅製ガスケットも原則毎回交換推奨だが、変形がなければ一度だけ再使用可。
PCX125では上記のことを守っていれば、大体どのガスケットでも大丈夫だと思われます。ただ私としてはあまりここに変にこだわりを持つ必要ってあるのかな?という感じがしています。ガスケットの種類にこだわりを持つなら、私だったらブレーキパッドの交換も自分でできるようにしたいところですね。
私はエンジンオイルとタイヤ、ブレーキパッドの交換さえしっかりやっていれば10万キロ以上走ると思っています。駆動系メンテナンスという厄介な作業も必要ではあるのですが、お金を積んでバイク屋さんに任せてしまえばいいだけなのでここもあまり問題にはしていないです。
ブレーキパッドの交換も実はエンジンオイルの交換時に使っている道具で簡単に交換ができます。詳しくは下記の記事に載せていますので、やり方等々がわからない方は下記の記事を参考にしてください。なお台座がついている状態でブレーキパッドのボルトを緩めておくと、非常に作業が楽です。マフラーに隠れてトルクレンチが届かない箇所がありますが、その個所はメガネレンチがあれば回ります。ボルトのサイズは12です。

補足:井上ゴムさんのタイヤは本当に滑るのか?
この間急にフロントタイヤに釘が刺さってしまって、急遽バイク屋さんに連絡をして交換作業をしてもらいました。SCT-001とはどういうタイヤなのか?を簡単に解説しておきます。滑るというデマ情報が流れたので、検証した結果も載せておきました。
- SCT-001はPCX160の純正のタイヤ
- 値段は2りんかんでは8,000円程度
- 雨の日に走行したけど全く滑る気配はなし
- ただし濡れたマンホールの上では滑るので注意が必要
- 急にタイヤに異常をきたしたときは安く便利なタイヤ
PCX125のドレンワッシャーがわからない方は、大体頻繁にPCX125を乗り回している方だと思うのですが。IRC(井上ゴム)さんのタイヤで結局大丈夫じゃないかな、というのが5年PCXだけ乗ってきた私の感想となっています。フロントはあまり交換頻度は高くないのですが、リアタイヤを変えても走りがもっさりしている感じの方は、フロントタイヤを交換するとバイクの動き自体がよくなったりします。
まとめ
ドレンワッシャーはオイルの密閉性を守るもの、と覚えておいてください。したがって、PCX125のメンテナンスでは次の3点を意識しましょう。
- M12ワッシャーを毎回新品交換する
- 締め付けトルク「24 N・m」を守り、トルクレンチで適正に締める
- ドレンボルトの頭とネジ山を点検し、潰れや傷があれば交換する
締め付けトルクは規定をしておかないと、とんでもない強い力で締め付けすぎてしまう方がいるからです。なので絶対にプレセット型のトルクレンチで締める必要はないです。ただしその力で締めておけば問題はないというものなので、不安な方はプレセット型のトルクレンチで締めておきましょう。
プレセット型トルクレンチは下記のものなら、今回のオイル交換作業で24Nmの規定トルクを測りながら締め付けを行うことが可能です。ドレンワッシャーに関してはこの記事では、毎回交換を推奨しています。何故ならその方が簡単だからです。そしてエンジンオイルも自分で交換できるよう、作業内容を覚えてください。そのための下記のプレセット型トルクレンチなので、安全運転の点検としてオイル漏れのないバイクライフの参考にしてください。
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