エンデュランスのヒーターがぬるいのは電圧不足か仕様の可能性大

急に寒くなりましたね。昨日歩いていただけなのですが、本当に真夜中なんて歩けたもんじゃない!っていうほど寒いです。なので私のPCX160にもグリップヒーターを…と思っていたのですが、純正品って高いんですよね。しかもアタッチメントを取り付けないといけないので、電源の取り出し部分が一つ塞がれるんですよね。
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っていうことで11000円で買えるこちらのエンデュランス製品はどうだろう?ということになったのです。私のように10月末や11月になってグリップヒーターを取り付けようと思っている方は、意外と多いんじゃないかなと思いました。しかしいろいろ調べていると何だかエンデュランスのグリップヒーターがぬるいという評判を聞きました。
そこで今日はいろいろ調べてみて、自分なりにその原因と解決策を考えてみました。グリップヒーターの問題は結構D-Unitやジャンクションパワーリレーを介すると、解決しやすくなるということは知っています。あと絶対にバイクからの直給電はNGなので、ACC電源にグリップヒーターの配線を繋ぐようにしてください。
エンデュランスのグリップヒーターがぬるくなる3つの要因とは?
「エンデュランスのグリップヒーターが“ぬるい”なんて、自分だけ?」と疑問に感じた経験はありませんか。「新品なのに暖かくならない」「不良品をつかまされたのでは…?」という不安の声がショップやネット上にも溢れています。
しかし実際には「ぬるい」と感じる原因の多くが配線ミスや電圧不足、バッテリー劣化、さらには車両や製品仕様によるものが大半です。不良品や初期故障は一部に過ぎません。このように複合的な要素が絡んでいるため、一見単純そうに見えるグリップヒーターの不調も、原因を正しく突き止めるための冷静な分析が必要となります。
1. バッテリー電圧不足による電圧保護機能の作動
エンデュランスのグリップヒーターはバッテリー電圧が一定以下になると、自動的に電力供給を制限するレギュレート機能が働きます。この機能によりバッテリー保護が優先され、ヒーターの温度が抑えられてしまうため、「ぬるい」と感じやすくなります。アイドリング時や信号待ちなどで電圧が下がりやすい状況で特に顕著です。
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デイトナ バイク用 アクセサリー電源ユニット 3系統 + 1系統常時電源 電源一括管理 合計17.5A D-UNIT+(Dユニット プラス) 16075
PCX160の話に特化してしまうのですが、よく勘違いされる方が多いのがアンペアがどのぐらい使えるのか?ということです。ACCは直接PCXから取ってくると7.5Aしか使えないです。つまりグリップヒーターもつけてETCもつけて、USBもつけるとUSBの電源が飛んでしまうということになります。
なのでかなり電装を施している方は、D-Unitやカエディアのジャンクションパワーリレーなどを導入して、過剰な電源供給を抑えるようにしてください。今ならD-Unit+というアイテムも存在するので、上記のようなD-Unit+というアイテムならETCもグリップヒーターも同時に使えるはずです。

2. 配線不良や接触不良による電力供給の問題
配線の取り回しミスや断線、接点の緩み、水濡れによる腐食などで電力の供給が不安定になると、ヒーターの発熱が弱まります。例えば、電源取り出しポイントが不適切だったり、接続が甘いと熱が入りにくくなり「ぬるい」状態になります。取り付け時は配線の通電状況と固定対策が重要です。
- 絶縁テープでしっかり使わない銅線などは巻いておく
- グリップの取り付け位置に余裕を持たせる
- アクセル部分のボンドは接続部分にはみ出さないようにする
この3つぐらいは絶対に気を付けて配線管理をしてください。ボンドなどのつけすぎによる余分なボンドも、意外と入っちゃいけない部分にボンドが入り込んで、電装系や配線をダメにしてしまう可能性も高くなります。そのせいでせっかく組んだ配線が断線してしまって、使い物にならなくなるというケースもなくはないからです。
なのでこの動画のようにボンドがはみ出しても平気なように、しっかり対策をしてからグリップヒーターのグリップ部分の位置決めを行ってください。なおセメダインなどでやっている方もいますが、木工用のボンドでも十分グリップは固まるようです。取り付けたら一日は待ってください。
3. 製品仕様による熱量の抑制設計
エンデュランスは過度な発熱による低温やけどを防ぐため、ヒーター温度の上限を抑えた上品な暖かさを提供しています。キジマやデイトナなど他ブランドに比べて「熱すぎない」一方で、これを「ぬるい」と感じる人もいるのが実情です。使用環境や個人の温度感覚で評価が分かれます。
もし右側は温まるけど、左側は温まらないということなら、製品の不具合の可能性が高いです。しかし今のところあまりこういった不具合の報告は聞いたことがないので、何も問題のない製品ではないかなと思います。もしこういった不具合があるようならカエディアのものに変えてもいいと思います。
上記でも書いた通り結構電装系のトラブルの場合が多いと思いますので、もう一度バイクからの電気を使いすぎていないかなどもチェックしてください。
再度見直し!エンデュランスのグリップヒーターがぬるい原因を取り付け手順から解明
よくPCX160にエンデュランスのグリップヒーターの取り付けの動画を探すと、いろいろな解説動画が出てきます。ただしいまいちよくわからないので、自分で手順を調べてみました。
PCX125やPCX160の場合はこういった電源取り出しハーネスが必要になります。これを利用することでACC電源を引っ張ってこれるという感じです。この電源取り出しハーネスなのですが、上記の動画のように自作も可能です。慣れてしまえば難しい作業ではないので、作ってしまってもOKだと思います。
エンデュランスのグリップヒーターがぬるい原因を防ぐ取り付け手順
PCX160の取り付けでいまいちベストな回答が見当たらなかったので、自分で取り付け手順を見つけてみました。
- 作業前にバイクのキーをOFFにして、バッテリーの端子を外し安全を確保。
- 付属の取り付けキットを用意し、グリップエンドを専用工具やマイナスドライバーで外す。
- 純正グリップをスムーズに外すため、パーツクリーナーやグリップボンド希釈液などを使用しながら慎重に引き抜く。
- バーの表面を綺麗に拭き取り、グリップ接着剤(グリップボンド)を薄く塗布。
- エンデュランスのグリップヒーターSPをケーブルの位置に注意しながら、電源ケーブルをハンドルの下側に配置しつつ取り付ける。
- 電源配線をPCX160のアクセサリー電源(サービスカプラーやメーターカバー内の指定配線)に繋ぐ。配線は車両の電装系に影響しないよう注意。
- 配線の固定と保護のため、ハーネスに沿って結束バンドなどで整える。
- バッテリー端子を戻し、キーをONにしてグリップヒーターの動作を確認。LED表示やスイッチ操作で温度設定を行う。
- 正常に動作すれば、外したカウル類を元通りに取り付けて作業完了。
特に注意したいのは、取り付け後に無理にグリップを引き抜かないことと、配線の極性や接続先の電圧安定性の確認です。バッテリーの状態によってはヒーター性能が低下するため、交換時期も意識してください。もしこの作業でそれでもエンデュランスのグリップヒーターがぬるいという方は、下記の商品に鞍替えしてもいいと思います。
今のところ本当にぬるいとは聞いたことがないので、製品自体の不具合ではないのかなという感じです。しかし万が一という場合もあるので、対策をいくら施してもぬるいという方はエンデュランスに直接連絡を入れてみてください。
ぬるいエンデュランスのグリップヒーターを暖かくする方法とは?
それではこれらを踏まえて、ぬるいエンデュランスのグリップヒーターを暖める方法はあるのでしょうか?
- もう一度配線が干渉していないか見直す
- 断線していないか見直す
- 大丈夫だけどぬるい場合は商品を買いなおす
こういう感じで考えてもらえればいいと思います。この場合の不具合はほとんどが電圧の問題が多いので、D-Unitなどでしっかり配線の管理を行い、余計な電圧をかけないようジャンクションパワーリレーなどの道具に電圧の管理をしてもらうのがいいと思います。
直接バイクのACC電源にいっぱい電源系統を取り付けてしまうと、バイクに負担が大きくなってしまってバイクが始動までできなくなる恐れもあります。なのでそれを仲介するアイテムを装着して、そこにグリップヒーターやETCなどを取り付ければ電気不足でショートする恐れも大幅に減っていくということです。
こういう不具合が起きやすい方は、たいてい電機の使い過ぎという場合も多いので、その場合はバッテリーの管理もしっかり行ってください。上記のような動画を参考にしてもらって、バッテリーの充電も簡単に行えるようにしてもいいと思います。バッテリーの充電は下記の商品でできるので、エンデュランスのグリップヒーターがぬるいという方はバッテリーの管理もしっかり行ってください。

PCX160にエンデュランスのGRIP HEATER SPを取り付けてみた結果
エンデュランスのグリップヒーターSPで、PCX用のものは2025年バージョンと旧バージョンと別れていますので、購入の時は気を付けてください。今回は私のPCX160は2021年モデルなので、手間がかかる方のPCX160です。参考になることもあると思うので、是非気を付けながら作業をしてみてください。

先ほど取り付けが終わりまして少しだけ走行テストをしていましたが、じんわり暖かくなり段々カーっと暖かくなります。最大の5でも手でグリップが握れるぐらいです。純正のグリップヒーターは正直熱いと思っているので、私はこのグリップヒーターぐらいの暖かさの方が好きですね。
PCXやADV以外は汎用性というものを買えば、問題なく取り付けができるはずです。PCXの場合はグリップヒーター用のACC電源がすでに出ている状態なので、場所さえわかっていれば間違いなく作業が簡単に行えると思います。今回私は純正の内臓グリップ(右側)をずーっと削っていましたが、ワイヤーを外して付属品の内臓グリップを取り付けた方が簡単かなと思います。
純正グリップヒーターを取り付けたい方は、グリップヒーター用のACC電源コネクタに付属のアタッチメントを取り付ければいいだけです。しかしそれ以外のハンドル部分への加工が意外と大変で、しかもグリップヒーターの発熱が異常に熱すぎると思っています。この辺の熱さに関しては好みがあるのですが、私はこちらのグリップヒーターの方が好きかなと思っています。
それでは取り付けでミスをしやすい箇所や、取説ではわかりづらい箇所をもう少しこの記事では写真付きで解説を加えていきたいと思います。
エンデュランス GRIP HEATER SPの付属品の確認
まずエンデュランスのグリップヒーターSPを購入すると付いてくる付属品を確認してみたいと思います。

右側はグリップ関係のアイテムで、左側はACC電源を取り出すコネクタです。左側がとても重要なので、必ず使うことになります。上記の写真を見てもらえればわかるのですが、もう一度重要なので出しておきます。

こちらの写真を見てもわかりづらいと思うのですが、グリップヒーター用の電源コネクタが写真の部分の奥に隠れています。私のPCX160には絶縁テープで巻いてあったので、これをカッターやハサミで切って取り出してください。最初はコネクタに蓋がついているのですが、それを外して付属の電源コネクタを取り付ければいいだけです。
そしてこの赤と黒のギボシにそれぞれ対応しているグリップヒーター側の赤と黒のギボシを対応させるように取り付ければいいだけです。この作業をしてみて思ったのですが、やはりジャンクションパワーリレーかD-Unitはあった方がいいように思いました。
フロントアッパーカウルの取り外し
まずはフロントアッパーカウルの取り外しですが、ツメが浮いたら思い切って下の方向に引っ張ってください。あまり力が弱いと外れないです。あまりカーボンベラなどでほじったりすると割れる原因になります。

このようにフロントミラーに養生をしたら、ツメをカーボンベラで浮かせます。大体ツメの部分はミラーの下のネジがあるところの上部分です。そのあたりにツメがあるのでそこにカーボンベラを入れると浮いてきます。
わからない方はこちらの動画を参考にしてください。この動画を参考にしてもらうと、割らずにフロントアッパーカウルが外れます。

こちらが外れた状態になります。そしてスクリーンやフロントのカバーを外してください。スクリーンのネジは以下の通りです。
- ソケットレンチで外すネジ:10㎜
- 六角レンチで外すネジ(下側):5
このように覚えておいてください。ある程度道具は必要ですので、しっかり道具は揃えておいてください。
ACC電源の取り方
それでは肝心のACC電源の取り方をご紹介させていただこうと思います。ACC電源は2か所ありますが、純正のグリップヒーターを取り付けていると、アタッチメントというものを取り付けないといけません。

すでに付属のカプラーがついている状態になっていますが、これがグリップヒーター用のACC電源になります。実際にPCX160の電源をONにしていない状態だと通電していないことがわかります。この電源が間違いなくグリップヒーター用の電源になります。
ここにエンデュランスのGRIP HEATER SPのPCX160の2021年~2023年モデルを購入していると、付属でカプラーがついています。そのカプラーをPCX160のグリップヒーター用のACC電源に取り付ければ簡単にACC電源とアースが取れます。
私のPCX160は奥にこのACC電源が絶縁テープで巻いてあったので、カッターで切って無理やり取り出しています。購入店ごとに違うとは思うのですが、そういう場合もあるので奥まで見てどれが電源かしっかり把握してください。あと初期の状態のものはカバーがついているので、絶対に外してください。
エンデュランスのGRIP HEATER SPは2025年用のPCX160のモデルもありますので、自分のモデルを間違えて購入しないようにくれぐれも気を付けてください。
通電しているかどうかチェック
そして配線通しなどでグリップヒーターの配線を通す…の前に、まずはしっかり通電しているかどうかをチェックしてください。ACC電源から取っているのでバイクの電源がOFFの状態では、絶対に通電していないはずです。

グリップヒーターをハンドルにつけるまえに、しっかりこのチェックを行ってください。私は付属の内臓ハンドルは使わなかったので、3時間ぐらい取り付けに時間がかかりました。笑
しかしこのあとしっかり取り付けは完了して、動作確認もしっかり済みました。結果はしっかり温まっているという結論になりました。今後またぬるいというような不具合は起きる可能性はありますが、それでも今のところあまり問題は感じないです。
PCX160の電源ON/OFFをして通電していないことをチェック
一番重要な確認項目です。何が重要なのか?というと電源OFFにした状態で、ハンドルのグリップが温まっていないことを必ず確認してください。というか写真の通り取り付けてもらえれば、ACC電源から電源を取っているので通電しているわけはないのですが。

まず写真は電源ONしてエンジンがかかる状態になっています。フロントライトが点灯しているので、それで起動しているという証明でお願いします。いろいろパーツを取り付けているので、速度メーターなども一緒に写真に収められませんでした。

電源をOFFにするとフロントライトも消えますが、同時にグリップヒーターの電源も落ちていることを確認してください。お時間がある方ならそこから数分でグリップの暖かさが消えていればOKです。通電しているとバッテリー上がりの原因になってしまうので、この作業は地味に重要だと心得てください。
そしてこれはグリップの取り付けが終わってからでもできるのですが、ウインカーがちゃんと親指でスムーズに右左変えられるかもチェックしてください。変えられない場合はグリップの暖かさを変えるスイッチが指に当たっているので、イモネジを緩めて調節をしておいてください。それも問題なければグリップヒーターの取り付けはこれで大丈夫なはずです。
エンデュランスのグリップヒーターSPに備わっているレギュレート機能とは?
レギュレーション機能は、信号待ちなどでバイクの発電量が落ちた時に、グリップヒーターの電源は切らずに自動的に出力を絞る機能です。これによりバッテリーの保護と、グリップを極端に冷やさないことを両立しています。
具体的には、電圧が低下するとヒーターの加熱レベルを自動調整して通電量を制御し、バッテリーに過度な負荷をかけないようにします。バッテリー電圧の下限設定ができ、例えば12.0V以上で設定することが推奨されており、設定した電圧以下にはヒーター出力が抑えられます。

PCX160に私は装着して使っていますが、グリップヒーターをONにしていない状態は写真のように緑のランプがついています。これが12.0Vであるという証拠になります。この機能と併せて、最大出力調整機能もあり、加熱レベルの最大出力を任意で設定し、小排気量車や発電量の少ない車両でのバッテリー負荷を軽減できます。
要するに、レギュレーション機能はバッテリー電圧をモニターし、低電圧時にはグリップヒーターの出力を自動で下げてバッテリーを守る賢い制御機能です。これによりバイクの発電状況に適応しながら快適な手の暖かさを維持します。
この機能はエンデュランス「グリップヒーターSP」モデルに標準で搭載されており、5色のLEDランプで電圧レベルやヒーターレベルの表示も行います。
まとめ
今日のまとめです。
- バッテリー電圧不足が原因ならD-Unitなどで配線管理も行うこと
- 配線不良や接触不良は取り付けの段階で問題がある場合が多い
- 自分のバイクがエンデュランスのグリップヒーターを使えるだけの電力があるかも調べる
型番が古いバイクや旧車のバイクに乗っている方は、特にこのグリップヒーターの不具合については注意が必要です。そのバイクが本当にエンデュランスのグリップヒーターで必要とする電圧を供給できているか、ということもしっかり確認をしてみてください。
なおエンデュランス製品のグリップヒーターは汎用型もあるので、もしこれでダメそうなら違う手段や製品も検討してください。真冬のバイクライフを少しでも快適に走る、一つの参考にしていただければと思います。
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