【PCX160】ギアオイル交換完全ガイド!時期・頻度・方法・費用を徹底解説
PCX160のオーナーの皆さん、ギアオイル交換って気になりませんか?「面倒くさい」「よくわからない」なんて思っていませんか?

ところで似たオイル交換に、エンジンオイル交換があります。これと同じだと思っていませんか?ギアオイル交換とエンジンオイル交換は全く違います。ブレーキオイルも入れて、それぞれのオイル交換がどの部分に影響するかを、改めてまとめておきましょう。
- エンジンオイル交換=エンジン内部に影響
- ギアオイル交換=変速機側に影響
- ブレーキオイル交換=ブレーキ関係全般
と、こういう感じです。エンジンオイルに関してはこちらの記事に書いておきました。似た個所にあるので間違えそうになるとは思うのですが、エンジンオイルの交換箇所とギアオイルの交換箇所はしっかり把握しておいてください。
バイク屋がオイル交換を嫌がる理由?自己流メンテナンスのやり方も解説! – ポレポレ日記
時々ファイナルギアに干渉してしまって、かみ合わせが悪くなり結果割れてしまうということが起きることで、走行不可能になるという事態にもなります。しかし正しい交換時期などを知っておけば、いくらでも対処が可能なので適切な交換時期などをこの機会に知っておくといいと思います。
- PCX160ギアオイル交換の重要性と交換時期
- PCX160ギアオイル交換DIY完全ガイド
- PCX160ギアオイル交換:おすすめオイルと費用
- PCX160ギアオイル交換後のメンテナンスとトラブルシューティング
この3つを中心に記事を展開していこうと思います。ただしどれだけ走っている人だとしても、5年間は変えなくていいとHondaが公式で発表している個所でもあります。それでも変えるという方は自己責任でよろしくお願いいたします。
PCX160ギアオイル交換の重要性と交換時期
交換タイミング | 推奨時期 |
---|---|
初回交換 | 5年後 |
2回目以降 | 4年ごと |
予め交換時期などは表にしてまとめておきました。ではギアオイルはどの部分に入っているのか?ということですが、この部分です。

リアタイヤ側の…

この部分です。この2つあるボルトの奥側のボルトの中に、ギアオイルが入っています。写真だと見づらくて申し訳ないのですが、2つのボルトの奥側にあるボルトを緩めて、そこからギアオイルを抜く。そして写真の2つ見えるボルトの左側のボルトを緩めて、そこから注射器などを使ってギアオイルを入れていくという感じです。

冒頭に出した写真をもう一度出しておきます。一番右側のボルトは絶対に外さないでください。その内側の上下の二つがギアオイルの出し入れをするボルトです。
- 下のボルト:ドレンボルト(ギアオイルを抜く箇所)
- 上のボルト:フィラー(ギアオイルを入れる箇所)
という風になっています。エンジンオイルの時に説明したことと同じ要領です。このネジを取り外してギアオイルの交換を行います。エンジンオイルのオイルでOKなようですが、下記に作業に関する関連動画も載せておきました。ギアオイルの適切なオイルに関しては、かなり知識がないと適切なオイルを選ぶことが不可能になっているので、もしギアオイルを自分で交換したい方は、Ultra E1でいいと思います。
ギアオイル交換を怠るとどうなる?
まず、ギアオイルの役割について押さえておきましょう。ギアオイルは、トランスミッション内部の歯車や軸受けの潤滑、冷却、清浄を担う重要な液体です。この小さな部品たちが、あなたのPCX160の走行を支えているんです。
ところが、このギアオイル交換を怠ると、どうなるでしょうか?「まあ、大丈夫だろう」なんて油断は禁物です。放置すると、ギアの摩耗が進み、最悪の場合、ギアが破損してしまう可能性があります。「ガラガラ」「ゴロゴロ」といった異音が聞こえたり、変速がスムーズでなくなったりするのは、その前兆かもしれません。
さらに、ギアオイルの劣化は走行性能の低下にも直結します。「最近、なんか力がないな」と感じたら、ギアオイルのサインかもしれませんよ。愛車の調子を維持するためにも、定期的なギアオイル交換は欠かせません。しかしHonda社からはそれほど頻繁には交換しないように、ということを暗に示されているかのように言われています。
PCX160のギアオイル交換時期と頻度
では、具体的にいつギアオイルを交換すればいいのでしょうか?ホンダの推奨する交換時期は、初回が5年後、それ以降は4年ごとです。ただし、これはあくまで目安。実際の交換時期は、あなたの走行環境や距離によって変わってきます。
例えば、頻繁に長距離走行をする方や、埃っぽい環境で乗ることが多い方は、ギアオイルの劣化が早まる可能性があります。そういった場合は、メーカー推奨の時期よりも早めの交換を検討しましょう。
PCX160の場合、走行距離で言えば、10,000km〜20,000kmごとの交換が一般的です。しかしエンジンオイルとは違い、実際にそれほど頻度は高くないです。ファイナルギアは普段中で割れるなんてことが、むしろ珍しいことなのでよほど車体を放置しているとか。
そういうことがない限り、5年後ぐらいに交換するのがいいです。私のように毎年一回は新車を買い替えてしまうような方は、別に交換する必要はあまりないパーツです。もっと別の個所にお金やメンテナンスの時間をかけるべきなので、そちらにどんどん投資をしてください。
リミッターカットという記事を書きましたが、これでもいいですし新しいバイクを買ってしまってもいいです。ギアオイルの交換はそのあとのあとのあと、ぐらいに重要な位置づけです。ほかのレトロなバイクなら話も違いますが、PCXぐらい流通量が多いバイクならギアオイルの交換をするほど、ずーっと乗り続けるとは思えないです。

PCX160ギアオイル交換DIY完全ガイド
これからギアオイルを自分で交換したい方向けに、お話を進めていきます。このギアオイルはファイナルギアなどの変速機やバイクの走りに大きな影響を与えます。
もし不安であれば自分でやらず、バイク屋さんに交換してもらった方がいいと思います。それをOKだといえる方はこのまま読み進めていただいて、作業をする前に必ず手順などを怠らないようにしてください。
ギアオイル交換に必要な工具と準備
さて、ここからは実際のギアオイル交換の方法について解説していきます。まずは必要な工具と準備物をチェックしましょう。
必要な工具一覧:
- トルクレンチ(締め付けトルクを正確に管理するため)
- ソケットレンチ(ボルトの脱着に使用)
- オイル受け(古いオイルを受けるため)
- 廃油処理用品(使用済みオイルの処理に必要)
- 新しいギアオイル(PCX160の推奨オイルを使用)
- 新しいワッシャー(オイル漏れ防止のため)
「トルクレンチって必要?」と思う方もいるかもしれません。でも、これがあると締め付けトルクを正確に管理でき、オイル漏れや締め付け過ぎによるトラブルを防げるんです。投資する価値は十分にありますよ。この中で絶対に必要なのが、廃油処理用品です。
オイル交換用 新型ポイパック 2.5L 可燃ゴミとして処理が可能 8813
今はこういうアイテムも売っているので、自分でこういうオイル交換作業をやりやすくなりました。そしてさらに絶対に必要なのがプレセット型トルクレンチです。ギアオイルを締めているボルトの規定トルクが決まっているからです。24Nmと決まっているので、必ず規定トルクで締めてください。
ご自身でやる場合はだいぶコストもかかりますが、自分でPCX160を管理できるので悪い面ばかりではないと思います。あとで紹介しておきますが、奥側のボルトがドレン(オイルを出す箇所)であり、上の方がフィラー(オイルを入れる箇所)です。
PCX160の場合はドレンボルトがプーリーケースで邪魔されているので、この箇所はクローフットをトルクレンチにつけて締めていくのがいいと思います。下記にクローフットはご紹介しておきます。PCX160のギアオイルの交換は意外と手間なので、かなり道具にお金がかかると思ってください。
ギアオイル交換手順
それでは、実際の交換手順を見ていきましょう。
先ほど写真だけだとわかりづらいと思うので、ボルトの正確な位置がわかる動画を紹介させていただくことにしました。この動画ならわかりやすいと思うので、ギアオイルの交換をしたい方は参考にしてください。
- ギアオイルの抜き方:まず、車体を平らな場所に駐車し、サイドスタンドを立てます。エンジンを数分間暖機運転し、オイルを暖めておくと抜きやすくなります。次に、クランクケース下部にあるドレンボルトを緩め、オイルを抜きます。このとき、オイル受けを忘れずに設置してくださいね。
- 新しいギアオイルの入れ方:古いオイルが完全に抜けたら、ドレンボルトを新しいワッシャーと共に取り付けます。次に、オイル注入口から新しいオイルを入れていきます。PCX160の場合、オイル交換時の規定量は0.12Lです。
- ドレンボルトの締め付けトルク:ドレンボルトの締め付けには特に注意が必要です。PCX160の場合、推奨締め付けトルクは24N・mです。トルクレンチを使用して、正確に締め付けましょう。
- オイル漏れ確認と後処理:全ての作業が終わったら、オイル漏れがないか確認します。エンジンを始動し、しばらく様子を見てください。問題がなければ、使用済みのオイルは適切に処分しましょう。
初めてギアオイル交換をする方は、特に注意が必要です。不安な場合は、経験者に立ち会ってもらうか、バイクショップに相談するのも良いでしょう。
トルクレンチ プレセット型 車/バイク修理レンチ タイヤ交換 差込角9.5mm(3/8インチ) 20-140N・m 12/13/14/17mm 1/4変換ソケット 1/2変換ソケット付き ソケットレンチ ケース付き
このようなプレセット型のトルクレンチも必須ですが、フレキシブルソケット延長バーレンチスリーブと呼ばれるぐにゃぐにゃ曲がるソケットも必要だと思います。ボルトのサイズは12㎜のようです。
PCX160のギアオイル交換の注意点
ギアオイル交換の際は、以下の点に注意することが重要です。
- 新しい銅ワッシャー(シーリングワッシャー)を使用すること
- オイル漏れがないか、交換後にしっかりと確認すること
- PCX160の推奨ギアオイルを使用すること(Honda純正 ウルトラE1 SAE 10W-30)
エンジンオイルで使っているドレンボルトに使っているガスケットとは違うので、絶対に一緒に使わないでください。ギアオイルに使っているワッシャーは、銅ワッシャーです。内径8.2mmぐらいなので、そのサイズの銅ワッシャーを用意しておいてください。
PCX160ギアオイル交換:おすすめオイルと費用
PCX160で推奨されているのは、エンジンオイルで使われているUltra E1みたいですね。
Honda(ホンダ) 2輪用エンジンオイル ウルトラ E1 SL 10W-30 4サイクル用 1L 08211-99961 [HTRC3]
これに関してはよくわからないのですが、これが推奨のようなので私が個人で交換するなら、このオイルをギアオイルとして使用すると思います。購入店の店長とも話をしますけど、ギアオイルではないにしても、エンジンオイルはスクーターはこれでOKのようです。
S9なども試してみましたけどあまり変化はないどころか、E1に変えたら走りがよくなった気がしています。ただしスクーター用であれば問題はないようなので、この辺は自己責任でいろいろ試してみてください。ギアオイルに関しては頻繁に交換する箇所ではないので、私もどうとも言えない部分はあります。
ただし上記で紹介したものがHonda社が勧めるオイルみたいなので、もしギアオイルを使うならこちらのオイルを使うと迷うことなく交換もできると思います。あとギアオイルの交換などで使う容器もあらかじめ用意しておくといいと思います。キタコのものがよかったのですが、ギアオイルの交換をするときはもっと小さいものでOKのように感じます。
エンジンオイルの交換量は800mlですが、PCX160のギアオイルの交換量は120ml~140mlと言われています。そのぐらいの容量が入れば、問題はないと思います。
PCX160におすすめのギアオイルの種類と選び方
ギアオイルの選び方も重要なポイントです。PCX160には、SAE規格10W-30のオイルが推奨されています。具体的には、Honda純正のウルトラE1がおすすめです。
ただし、他メーカーのオイルを使用しても問題ありません。例えば、ヤマハのヤマルーブギアオイルも使用可能です。これは、複数のバイクを所有している方にとっては便利かもしれません。ギアオイルを選ぶ際のポイントは以下の通りです。
- メーカー推奨のスペックに合っているか
- 価格と性能のバランスが良いか
- 使用環境に適しているか(例:寒冷地用など)
「高いオイルの方が良いの?」とよく聞かれますが、必ずしもそうとは限りません。自分の使用環境と予算に合ったオイルを選びましょう。
PCX160ギアオイル交換の費用
ギアオイル交換にかかる費用は、DIYで行うか、バイクショップに依頼するかで大きく変わってきます。
DIYで交換する場合はこのぐらいかかります。
- オイル代:約1,000円〜2,000円
- 工具代:初期投資として5,000円〜10,000円程度(ただし、繰り返し使用可能)
バイクショップに依頼する場合はこのぐらいかかります。
工賃込みで3,000円〜5,000円程度
DIYの場合、初期投資は必要ですが、長期的に見れば費用を抑えられます。また、自分でメンテナンスすることで愛車への理解も深まりますよ。費用を抑えるポイントとしては、セール時にオイルをまとめ買いしたり、工具を他の用途にも使えるものを選んだりするのがおすすめです。
PCX160ギアオイル交換後のメンテナンスとトラブルシューティング
ご自身で変えるとき以外は、この箇所はあまり気にしなくていい部分です。しかし変速機などに関係するファイナルギアなどに干渉しているオイルを交換するので、今後PCX160に乗り続けるときとても大きな責任を伴うと思います。
もしご自身でメンテナンスを行うときは、気を付けながら作業を行ってください。
ギアオイル交換後のメンテナンス
ギアオイル交換後も、定期的なチェックが重要です。以下の点に注意しましょう。
- オイル漏れチェック:交換直後だけでなく、定期的にオイル漏れがないか確認します。特に、ドレンボルト周辺やケースの接合部をチェックしてください。
- 異音確認:走行中に異常な音がしないか注意を払います。「ガラガラ」「ゴロゴロ」といった音が聞こえたら要注意です。
- 定期的なオイルレベルチェック:オイルの量が適切か、定期的に確認しましょう。急激な減少があれば、どこかに問題がある可能性があります。
ギアオイル交換後のトラブルシューティング
万が一、問題が発生した場合の対処法を知っておくことも大切です。
- オイル漏れの原因と対処法:主な原因はドレンボルトの締め付け不足や、ワッシャーの劣化です。ボルトの増し締めや、ワッシャーの交換で対処できることが多いです。
- 異音の原因と対処法:ギアの摩耗や異物の混入が考えられます。軽度な場合はオイル交換で改善することもありますが、重度の場合はバイクショップでの点検が必要です。
「PCX160のギアオイルが漏れている」「交換後に異音がする」といった症状が出たら、すぐに対処することが大切です。放置すると、より大きなトラブルにつながる可能性があります。
まとめ
ここまで、PCX160のギアオイル交換について詳しく見てきました。ギアオイル交換は、一見面倒に感じるかもしれません。でも、これはPCX160の寿命を延ばし、快適な走行を維持するために不可欠なメンテナンスなんです。
「でも、本当に必要なの?」そう思う方もいるかもしれません。確かに、短期的には目に見える効果がないかもしれません。しかし、長期的に見れば、定期的なギアオイル交換は大きな違いを生み出します。トラブルを未然に防ぎ、修理費用を抑えることにもつながるんです。
しかしこのギアオイルを交換しなかったから、バイクが動かなくなったなんて話は一切聞きません。ギアオイルはむしろHonda社から5年は変えなくていいといわれている個所です。作業道がも載せていますが、はっきり言うと動画主さんがオイル選びで迷っているぐらいのものなので、かなりあいまいなんじゃないかなと思います。
今日ご紹介したものを選んでいただければ問題はないです。私だったらここにフレキシブルソケット延長バーレンチスリーブと呼ばれる、長めのソケットレンチでぐにゃぐにゃ可変するタイプのソケットを用意しておいて、電動インパクトレンチで一気に作業をしてしまうと思います。
ギアオイルの交換は結構手間がかかると思うので、それなりにしっかりと道具をそろえる必要があると思ってください。下記の電動インパクトレンチはギアオイルの交換以外でも使えるケースが多いです。ギアオイルのドレンボルトの個所にあるプーリーのメンテナンスを行うとき非常に役立ちます。
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